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心がはずむような日も、涙で包まれてしまう日も、やっぱり生かされている大切な一日。


by soratoumihouse

空の本当の気持ち

今、空のサッカーチームの卒団に向けて、母達は、文集作りや、様々な準備

に大忙しです。

文集には、空の書いたメッセージも載りますが、母の書いたメッセージも

載ります。

今日は、海を学校に送った後、文集に載せるメッセージの下書きをしました。

その中に、私は、一つだけ入れたかったお礼の文章があります。

もちろん、サッカーのことがメインなのですが、何を入れたかったかと言うと、

海のことです。


海は、毎回ではありませんが、空の試合に行ったり、お迎えがてら、

少し早めにグランドに行って、遊具で遊んだり、往復したり(笑)して、

過ごすことがよくありました。


グランドや、試合会場に行くと、選手の子どもたちの弟や妹も一緒にいることも

多く、子どもたちはみんな、顔馴染みなので、一緒に駆けずり回って、楽しく

遊んでいました。


海は、「海くん、こんにちは~」とお母さん達から、声をかけられると、

笑顔で「こんにちは~」と今では、挨拶も出来るようになり、

親としては、十分それだけでも嬉しい気持ちになります。


でも、やっぱり、弟や妹たちと、絡んで遊ぶことは難しいのです。

それが、海の障害であり、海の生きづらさなので、自然です。

それでも、時々、小さい子どもたちが、本当に楽しそうに、キャッキャッと

遊んでいるのを横目で見ながら、グランドを、斜め上を見て、ただ、往復している

海を見ると、ちょっとだけ、他の子どもたちが、羨ましくみえてしまう事も

正直に言うとありました。

ほんの一瞬だけですけど・・・。


そんな中、空の学年の子どもたちは、試合の合間とかで、おにぎりを食べたり

している時に、海がふら~っと空の側に寄って行ったりすると、

「おう!海!こんにちは~!」「海は可愛いな~」「ほんと可愛いよな~」

と、いつも可愛がってくれる、優しくて、あたたかい子どもたちでした。


私は、いつも、そういう海に向き合ってくれる子どもたちが可愛くて、

そんな光景を見るのが大好きで、幸せでした。

子どもたちは、海を特別視なんてしていません。

とても自然で、あたたかい。

だからこそ、普段はお礼を言ったりはしないけれど、最後の文集の場を借りて、

子どもたちに「ありがとう」の気持ちを伝えたかったのです。


そして、同じ学年のお母さんや、子どもたちは、海の障害について

知っているけれど、他の学年のお母さんや子どもたち、コーチ等は、

知っている人もいますが、知らない人がほとんどです。

「家の子は、知的な遅れのある、自閉症児です!」と言って歩くのも

おかしな訳で・・・。


文集は、他の学年のコーチや、保護者の方、子どもたちが読みます。

だから、あえて、海のような子がいること、コミュニケーションが苦手なだけで、

人が嫌いな訳ではないこと、少しだけ理解してもらえたら、幸せだな~と

思ったのです。


そして、そういう内容の文章を、私は載せたいと、思っているけれど、

空はどう感じるだろうか、そこだけは、確認して載せたいと思いました。

私じゃなくて、空の気持ちを、どうしても大事にしたかったから・・・。


そして、海が、リビングにいない時に、空に聞きました。

「お母さんは、海が、知的な遅れのある自閉症児だということを書こうと

思っているの。(どういう内容かを全て話して。)

空の仲間たちが、いつも海を可愛がってくれたことが、いつも嬉しかったから

お礼がいいたくて・・・。」と言うと、


空は少し考えて、「いいよ!書いて!」と言ってくれました。

でも、空は、私に気を遣っているかもしれないと思い、

しつこいとは思ったけれど、「本当は嫌だな~って思ってない?」と

聞いてみました。


すると、「仲のいい友達は、海のこと知っているけれど、知らない人達もいる。

なんかおかしいな~って思われてしまうより、知ってもらった方がいいから。」

と空は言いました。


「もしかしたら、文集を読んで、海の事を知って、もしかしたら、

空をからかってくる子がいるかもしれないよ。」と言うと、

「そうしたら、やめて!って言うから。」ときっぱり。

「海が、悲しいから?ってこと?」

「うん、海が悲しむから、やめてって言う!」




海がいる生活は、我が家の当たり前で、改めて、空がどう感じているのかを

なかなか聞いたりすることもしませんでした。

空が、低学年位の時は、何回か、海のことでからかわれたりしたので、

一生懸命、空に、海の事を説明した時期がありましたけど・・・。



空が、私に返事をする前に、少しだけ考えた、あのわずかな「間」に、

空なりの一瞬の迷いみたいなものがあったんだろうな~と思いました。


でも、空の気持ちを聞いて、空が強く成長してくれている事に、

なんだか、うるっときてしまった私です。


きっと、親には言えないような思いを、自分の中で処理してきたことも

あるんだと思います。

そんな時も、乗り越えられてきたのは、空には、素敵な仲間達がいつも

いてくれたからでしょう。


素敵な仲間達に恵まれた空に、良かったね!と心から言ってあげようと思います。

空の心に寄り添ってくれる、元気で、明るくて、たまに悪いこともして、

でも、とびっきり優しい空の仲間達に、いっぱい感謝をしています。

これからも、空の事を、どうぞよろしくお願いします!

そんな気持ちです。


卒団まで、あと少し!この子たちのためなら頑張れます!

あと残り少ない、卒団までの時間を思いっきり、サッカーを楽しんで

もらいたいと願っています。

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by soratoumihouse | 2012-02-06 21:36 | 空のこと