人気ブログランキング | 話題のタグを見る

心がはずむような日も、涙で包まれてしまう日も、やっぱり生かされている大切な一日。


by soratoumihouse

 一人じゃなかった

 今朝は、途中までは良かったけれど、学校行くまで、後、残り半分というところで

 海がわたしのところにやってきた。

 「アスファルト(ミスチルの「擬態」という唄)を、車で歌いたい。」

 「いいよ~。お母さんも大好きな唄。車でかけてあげるね。」

 
 3分後、海が、またやってきた。

  まさかとは思うけど、確認パレードを始めようってわけじゃないよね。

  お願い、やめて~~。今日お母さん、なんか気分がブルーなの。

 「アスファルト歌いたいの。車で。」

 深く呼吸をして、

 「いいよ。車でかけてあげるね。」


 3分後、海が、どんより顔で寄ってきた。

  ドラえもんに、どこでもドアでも、タケコプターでも、スモールライトでも

  何でもいいから出してもらって、逃がしてほしかった。私を。

 「アスファルト、歌いたいんだもん。」

  海、ごめんね。お母さん、今日は自信ない。作り笑顔は厳しいよ。

  と思ってしまったけど、もうこれで、納得してくれるかもしれない。と思い、

 作り笑顔をして、

 「わかった。車でかけるね。」


 3分後、今にも泣き出しそうな顔の、海がやってきた。

  空は、とっくに学校へいってしまった。

  外の景色も今日は、私の味方はしてくれないらしい。応援なしか。

 「アスファルト、歌いたいの~~~。」


 何も言ってあげられないまま、多分すごく嫌な顔で、リビングから出た。

 先生、助けてください。先生、、。 でも声が届くはずもなく。

 少しして、リビングに戻ると、海はうつ伏せて、小さく震えて、小さくうなっていた。


 全く気にしないように、自然を心がけて、

 「学校の準備をしてね。」

 「出来ないも~~~~ん!」


 暗くて、どんよりして、寒くて、まさに今日の天気みたいに、重い空気と時間が

 リビングに流れていた。


 もう家を出ないと遅刻する時間が、刻々とせまっていた。

 「ねえ、海、もう学校遅れちゃうよ。早く用意をして!」

 「だって、先生と話したいの。」

 「先生とお話したいなら、学校行かないと話せないよ。」

 「だって、だって、アスファルト歌いたいの。」

 「だから~、車でかけるっていったでしょう。約束したでしょう!」

 「あ~~~~~~もう~~~~~」

 諦めたのか、私が怖かったのかはわかりません。

 学校の支度をして、何とか車に乗ることができました。



 御希望通り、「擬態」の曲をすぐさま選んで、流したものの、お互いにルンルンに

 なるはずもなく、無言のドライブ。

 近くて遠い学校に着きました。


 「お部屋にお母さんもいってほしい。挨拶できないかもしれない。」

 「わかった。行くから。」とだけしか言えませんでした。


 玄関で迎えてくれる先生にも、クラスで迎えてくれる先生にも、

 私自身が、気持ちの良い笑顔は出来ませんでした。

 先生、ごめんなさい。



 
 学校の後、今日はヘルパーさんと過ごさせてもらい、夕方、帰ってきました。

 そのヘルパーさんは、我が家が引っ越してきて、海が診断のついた3歳頃から

 お世話になっていて、海がまだ日本語らしい言葉を話せなかった時から

 海と私達家族の寄り添って支えてくれた人です。


 玄関から大きな荒れた声で、海の声が聞こえました。

 「アスファルト歌いたいの~~~」

 こんな日もありますよね。

 空も、口には出さなかったけれど、またか、、。という顔をしていました。

 神様は、私を試されているのかもしれない。

 海と過ごすための、必要な忍耐力が備わっているかどうかを。


 諦めて、心も寒くて、下におりていきました。

 ギャーギャーしばらく叫んでいたけれど、神様はわたしを最後まで一人にはしませんでした。

 そのヘルパーさんが私の代わりに、海と話し、海の気持ちを違う方へ向けられるように、

 もっていってくれました。

 すごいな~。やっぱり海をみてきてくれた人なんだな~と感謝の想いでいっぱいになりました。


 あの帰ってきた時の状態が、まるで嘘のように、本当の笑顔でいる海。

 「アスファルト聴いたら(DVD希望)学校の片付けやるね。」

 と自分からにこにこして言っちゃって、

 もちろん私もにこにこで、「うん」じゃなくて「そうだね。」って言って。


 「擬態」の曲に頭出ししてDVDをスタートすると、リビングを往復しながら

 「海、このうた、大好き~~~。元気になる。大好き!」と満面の笑みで熱唱。

 リビングにいた、空と海と私で合唱しました。


 学校の連絡帳を見たら、朝、先生がお話を聞いて下さって、朝の会の気持ちを伝える場面で

 (そんなプログラムがあるなんて、海の学校ならではです。)

 クラスのお友達の前で、ちゃんと、朝、悲しい気持ちだったの、、、。と

 伝えられたこと。その後、気持ちを切り替えられたこと。を報告して下さいました。


 

 いつも、先生やヘルパーさん達に支えられていることを感謝していますが、

 支えられているだけではなく、お話で、電話で、連絡ノートで、海がどんな風に感じ、

 どんな風に過ごしたのかを、あたたかく届けてくださることを心から感謝したいと思います。


 私の心の状態で、海を傷つけてしまうことは多々あるけれど、どうにもならない、

 かたく、でこぼこになってしまった道を、平らにして、整えてくださっている事を

 忘れないでいられる心でありたいです。


 朝、誰も応援してくれない、先生に声が届かないなんて、悲観的になってしまったことを

 反省しました。

 海のお母さんはまだまだ新米ママです。年齢は立派なのに、、、(笑)。

 
にほんブログ村 子育てブログ 自閉症児育児へ
にほんブログ村

にほんブログ村 料理ブログ 学生弁当へ
にほんブログ村
 

 

  

 

 
by soratoumihouse | 2011-12-08 22:14 | 海のこと